アメリカのニューヨーク州では、新型コロナウイルスワクチンの接種が進んだこともあり、コロナに対する制限措置がほぼ解除されました。果たして本当に大丈夫なのでしょうか?
州内の18歳以上の7割が「1回以上接種」
同州のクオモ知事は6月15日、州内の18歳以上の70%がワクチンを1回以上接種したとして、ほぼすべての制限を解除すると発表しました。気になるのは「1回以上」という部分で、抗体がまだできない1回接種の人数を判断材料に使っています。
解除される措置の内容は?
解除される措置は、オフィスや飲食店などに対し、人数を制限したり、消毒を義務づけたりする規制で、これまではワクチン接種者を対象にマスク着用義務などを解除してきましたが、5千人以上集まるイベントや学校、公共交通機関、医療機関などを除き、ほぼ全面的にマスクの着用が解除されます。
新規感染者は1日平均470人に
6月16日現在、ニューヨーク州の1日あたりの新規感染者数は525人となっています(※1)。累計感染者数216万人の同州にとっては大きく減った数字かもしれませんが、東京の新規感染者数とほぼ変わらない状態でマスク着用を大幅に緩和するのは、ワクチン接種が進んでいるからと言えるでしょう。
変異株と抗体生成の時間の戦い
ニューヨーク州の措置が成功するかどうかは、まだ1回しか接種していない人がどのくらい早く2回目を終え、抗体を作るかにかかってきます。7割が2回目の接種を終えて抗体ができるまで少なくとも5〜6週間はかかるとみられますから、それまでに変異株の流行や他地域からの感染拡大をいかに食い止められるかがポイントになります。
15日には花火が打ち上げられ、同州のコロナ対策をアピールしたクオモ知事。本当の勝利宣言はもう少し先になりそうです。