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河野大臣が「ワクチン1年持つ」と発言 本当なの!?

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河野大臣が「ワクチン1年持つ」と発言 本当なの!?

河野太郎行政改革担当相が6月20日、日本テレビの番組でワクチンの有効期間について「ファイザー製もモデルナ製も1年は持つ」とコメントしました。これに対し、加藤官房長官は21日、「長期の有効性データは十分に得られていない」と否定的な見方を示しました。新型コロナワクチンの有効期間は実際、どれくらいなのでしょうか? また河野大臣はどうしてこのような発言をしてしまったのでしょうか?

そもそも1年前にワクチンは打てたのか

「1年以上有効性がある」という場合、1年以上前に接種していた人のデータを示す必要がありますが、米国で両ワクチンが緊急使用許可を取得したのは2020年12月。今から1年前はまだ第1相/第2相試験の段階だったと考えられ、一般的な接種は行われていませんでした。ですので、接種から1年経過した人のデータというのは、一般には存在しないか、存在していても治験段階の極めて限定的なデータとなります。

接種後6カ月経過したデータは存在

この第1相/第2相試験参加者のデータを使った研究成果が今年4月、学術誌「New England Journal of Medicine」のサイトに公開されました。研究データでは、モデルナ製mRNAワクチンの抗体持続期間について、180日(6カ月)後も対象者33人の体内で十分な抗体が残っているとしており、中和活性の半減期については68日または202日と推定しています。この研究成果については、京都大学の山中伸弥教授もホームページで紹介しています(※1)。

感染者の1年後のデータもあった

以前「新型コロナの抗体っていつまで体内に残るの?」という記事で紹介しましたが、横浜市立大学などの研究グループが、昨年2〜5月に新型コロナウイルスに感染した250人を対象に「中和抗体」が体内にどのくらい残っているのかを研究しました。

その結果、感染から1年後に、従来株に対する十分な量の中和抗体が残っている人の割合は、軽症や無症状が96%、重症や中等症が100%でした。英国型などの変異株に対する中和抗体はこれよりもやや低下していることもわかっています。このように感染者の場合は、1年後の抗体の研究データが日本でも発表されています。

何かのデータと勘違いした!?

河野大臣の発言は「感染者」の抗体有効期間と「ワクチン接種者」を間違えた可能性もありますし、上記モデルナ製接種者の「6カ月」の研究を勘違いあるいは拡大解釈した可能性もあります。

真相はまだ不明ですが、こうした研究は数多く行われているので、半年以内には河野氏の予測が合っていたかどうかを示す研究データも、どこかの研究機関が発表しそうですね。

 

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