ロックダウンに首都脱出、バングラデシュの感染状況は?
世界で8番目に多い1億6000万の人口を有するバングラデシュ。この国の新型コロナウイルスの感染状況について、日本ではあまり報じられていませんが、国内は現在、インド型変異株「デルタ株」の脅威にさらされています。今回はバングラデシュの現状について調べてみました。
人口が多い国はコロナ対策に苦心
世界で最も人口が多い中国は、最初のコロナ発生時に大きな被害が出ました。2位のインドは「デルタ株」の爆発的拡大で多くの人命が奪われ、3位のアメリカも世界最多の感染者が出ました。4位のインドネシアも現在、感染拡大で苦しんでおり、11位の日本でもなかなか感染者が減っておらず、人口が多い国では感染対策に苦心している様子が伺えます。
過去最大規模の感染拡大に直面するバングラ
【データ元】Bangladesh Coronavirus Pandemic Country Profile – Our World in Data
バングラデシュも同様で、7月21日現在の累計感染者が113万6503人、死者が1万8498人となっています。昨年7月に始まった第1波がなかなか収束せず、今年2月にようやく収まりましたが、3〜4月にはそれを上回る規模の第2波が到来。現在はさらにそれを上回る第3波の真っ只中にあり、7月12日には新規感染者数13768人を記録。7月21日の新規感染者数は7614人、死者が173人となっています。
インド型「デルタ株」が原因
バングラデシュで6〜7月に感染者が急激に増加した理由については、隣国インド由来の「デルタ株」の猛威が挙げられます。バングラ政府は6月28日から感染拡大を食い止めるためにロックダウンを強化。住民の外出を禁止する命令を出しました。この発表を受け、前日の27日には首都ダッカで出稼ぎ労働者数万人が首都を脱出する事態が発生しました。
厳格なロックダウンを実施
政府が取っている厳格なロックダウンは、犠牲祭期間(7月14日〜23日午前6時)は全て緩和されましたが、23日からは再び実施されました。その内容(※1)は
「全ての政府系機関、民間の事務所は閉鎖。全ての産業活動および工場の稼働は停止」
「全ての公共交通機関(道路、鉄道、水路、国内線フライト)の停止」
「ショッピングモールを含む全ての店舗は閉鎖」
などとなっており、国民に対しても、緊急時(医薬品や食料・日用品の購入、病院受診、葬儀など)を除き、外出を禁じています。
犠牲祭期間に措置を緩和したことの影響がどう出るかわかりませんが、外出も仕事もほぼ止めてしまうほど厳格なロックダウンで感染をどこまで食い止められるのか。注目したいですね。