感染者急増に国産ワクチン接種開始 イランの感染状況は?
イランではここ数日、新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新する事態となっています。政治的に対立する米国からワクチンを輸入せず、自国のワクチンを開発するなど、独自のコロナ対策を貫くイランの感染状況について調べてみました。
イランの感染状況は?
【データ元】Iran Coronavirus Pandemic Country Profile – Our World in Data
イランでは昨年11月と今年4月に2度の感染爆発がありました。その後、感染者数は一旦減少しますが、6月下旬から再び急増。7月20日には過去最多となる2万7444人となり、感染が広がり続けています(※1)。イラン政府は感染拡大の理由として、インド型「デルタ株」の流行を挙げています。
ワクチン接種は進まず
人口約8000万人のイラクで、7月18日までにワクチンを1回以上接種したのは人口のわずか7%。必要回数の接種を完了したのは2.8%にすぎず、接種の遅れが感染拡大を招いているようです。
イラン政府は政治的に対立する米国からのワクチン輸入を認めておらず、接種には中国製やロシア製が使われています。
国産ワクチンの開発も進行
外国製ワクチンだけでは供給が追いつかないため、イランでは昨年から国産ワクチンの開発が始まっています。現在、5種類の開発が進んでおり、3種類が国産、2種類がキューバ、オーストラリアと共同開発しているようです(※2)。
このうち国産ワクチン「バリキャット」は最終臨床試験を終え、6月25日に最高指導者ハメネイ氏も接種。6月末からは一般接種が始まっています。
日本はイランとは歴史的に深い関係があり、今回も国際的なワクチン調達枠組み「COVAX」を通じて、日本で生産された英アストラゼネカ製ワクチンを支援。7月22日に110万回分を送っており、全体で290万回分を支援する予定となっています。