中国でもブースター接種が本格化 不活化ワクチンの抗体量は?
新型コロナワクチンの感染予防効果を高めるため、イスラエルなどでは3回目のブースター接種(追加接種)が始まっていますが、国産ワクチンの接種を進めている中国でもこのほど、ブースター接種が本格的に始まりました。
世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略諮問委員会が先週開いた会合で、新型コロナワクチンをめぐり、中重度の免疫不全患者と、中国製ワクチンを接種した高齢者への追加接種を推奨したことが分かりました。https://t.co/54JVO1S0Ff
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) October 12, 2021
中国CDCは、先月、医療従事者、免疫力の低い人、60歳以上の人、リスクの高い国への渡航者など、最前線の職業に就いている人に追加の接種を行うよう勧告
既に3回目の追加接種を開始済みChina has begun administering booster shots to older people and those at high risk.https://t.co/gsXiwt6Npv pic.twitter.com/xoxvcXA49d
— Mugen UJIIE (氏家 無限) (@carpe_diem0820) October 13, 2021
黒竜江省綏芬河市で開始
中国では10月に入り、政府がブースター接種を進めるよう打ち出したことから、一部地域で3回目の接種が始まりました。ロシアとの国境がある黒竜江省綏芬河(すいふんが)市でも始まっており、今年3月1日より前に2回の接種を完了した18〜59歳が対象となっています(※1)。
ロシア帰りの中国人、感染者急増 国境の「抜け道」使う https://t.co/vbpiv67dXD
“3月末以降にバスで黒竜江省綏芬河へ入った中国人が、入国後の検査で感染が確認されるケースが急増。
4月に入ると内モンゴル自治区満洲里の陸路国境などを通り、ロシアから帰国した人からも感染確認が相次ぐように”
— 金順姫 (@kim_soonhi) April 16, 2020
不活化ワクチンの抗体量は?
(データ元:養和醫院近300人已打2劑疫苗 復必泰產生抗體水平高於科興|香港01|社會新聞)
中国本土ではワクチンに関する詳細なデータは公開されていませんが、香港の養和医院が今年6月、中国製不活化ワクチンに対する興味深い研究データを発表しました。それによると、2回のワクチン接種完了後28日経過した被験者の平均IgG抗体価は、ビオンテック製ワクチン(ファイザー製と同様)が11572.6AU/mlだったのに対し(上図右)、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製不活化ワクチンはわずか1005.2AU/mlでした(上図左、※2)。タイの研究では、シノバック製ワクチンは接種後40日で抗体量が半減するとされており、抗体量が圧倒的に少ない上に、減少速度も速いということが示されました。
”香港サウスチャイナモーニングポストは、香港の研究でビオンテック製ワクチン接種者は、中国シノバックワクチンを接種した人の抗体レベルを「著しく上回る」と報じた。調査主導した疫学教授はシノバック製接種者の一部は3回目の追加接種が必要かもしれない、と”https://t.co/wZUbsOoOHB
— Dr. Tad (@tak53381102) June 21, 2021
北京冬季五輪まであと4カ月
来年2月4日に始まる北京冬季五輪まであと4カ月を切っており、中国政府としては、この時期の感染爆発は何としても避けたいところです。有観客開催を実現するためにも、感染拡大阻止が最優先課題となっており、各地でブースター接種を推奨するようになりました。
徹底した水際対策と人流管理によって、なんとか感染を食い止めている中国ですが、これからは国産ワクチンの感染防止効果が大きく減少する可能性もあり、無事に五輪開催に持っていけるのか、気になるところです。
中国は「コロナゼロ戦略」を進める最後の国で、その理由の一つは北京冬季五輪の開会が迫っていることがある。 pic.twitter.com/rKUcITM8FJ
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) October 13, 2021