やがて来る第6波に向けて知っておきたいこと
日本では新型コロナウイルスの第5波が収束し、新規感染者数は各地で今年最低の水準にまで減っています。このままコロナ自体が収まってくれればいいのですが、専門家はそれでも第6波が起きるとして注意を呼びかけています。次の波を最小限に食い止めるために、私たちが知っておくべきことはあるのでしょうか。
第6波が起こると考えられる要因は?
感染症専門医の忽那賢志先生は、第6波が起こる要因として「若い世代でまだ十分にワクチン接種が行われていない」「ワクチンによる感染予防効果の減弱」の2つを挙げています(※1)。さらに「気温が下がるとコロナが流行しやすくなる」「行動制限が緩和されれば感染リスク行動に繋がりやすくなる」として、第6波を想定する必要があると訴えています。
東京医科大学病院渡航者医療センターの濱田篤郎先生も、冬の到来や予防対策緩和の影響で第6波の流行は避けられないとしています(※2)。
第6波は来るのか、とよく聞かれます。
規模の大小や時期を正確に予想することは困難ですが、第6波が来ることはおそらく避けられないだろうと思います。
なるべくその規模を小さくするために、あるいは先送りするために、基本的な感染対策は継続するようにしましょう。https://t.co/rfskCtGGat— 忽那賢志 (@kutsunasatoshi) October 23, 2021
冬の季節が到来する11月以降、次の新型コロナの流行が起きると予想されています。大きさは、ワクチン接種の進展状況によるでしょう。接種率が70%以上に達している国では感染者数がある程度増えても、重症者や死亡者の数は少なくなるものと考えます。#コロナ #第6波https://t.co/VsX3xqm6qz
— 時事メディカル (@jijimedical) October 20, 2021
第5波と同じようにはならないのか?
第5波では過去最多の感染者が出て、各地で医療逼迫が起き、多くの方が症状に苦しんだり亡くなったりしました。
次の第6波でも同じような状態になるのかと心配される方も多いと思いますが、「適切な手を打つこと」ができれば、そうならないと考えられています。
その理由の一つがワクチン接種率の違いです。8月1日時点の接種率は約41%、必要回数の接種完了率は約30%でした。10月24日では接種率が77%、接種完了率が70%まで増えています。
ワクチンには感染予防効果(時間とともに減少しますが)とともに、重症化予防効果があります。接種完了率で考えると8月1日時点では30%の人がワクチンで守られ、残りの70%の人が感染したり、重症化したりしました。それが現在では数字が逆転し、70%の人が守られ、重症化を防げるようになっていると考えられます。
なので、適切な対策を取って、必要な治療が受けられる状態が維持できれば、感染者が増えても第5波のように多くの方が重症化することはないとの見方もあります。
ワクチン接種者がいるからワクチン未接種が生活できること忘れちゃならん
もし未接種者が大多数だった場合は第5波でほぼ全滅してたでしょう
ほんと大丈夫5波は皮一枚で切り抜けた感がある
— 医ー者んてん@COVID-19の日々 (@H3fxBmh4nIIxjUA) October 26, 2021
シンガポールから学べることは?
昨日の記事で、シンガポールの感染拡大について紹介しました。ワクチン接種完了率が8割で、それまで徹底した感染対策を取っていても、行動規制を緩和すれば一気に感染が広がってしまい、再び規制をかけても、しばらくは感染拡大の波にさらされてしまいます。
感染者が出ていない状態での行動規制緩和は非常に大事ですが、再び感染が拡大傾向を示した時に、どの程度ブレーキを踏むことができるのか。これも一つの大きなポイントになりそうです。
新型コロナウイルスの「第5波」で、東京都では空前の感染爆発が起きました。「第6波」も懸念される中、これからの医療はどうあるべきか。専門家に聞きました。https://t.co/GnVZMAPiug
— 医療サイト「朝日新聞アピタル」 (@asahi_apital) October 25, 2021