【コラム最終回】今後の新型コロナウイルスとの向き合い方
今年3月から、新型コロナウイルスに関する350本以上のコラムを掲載してきましたが、今回がいったんの最終回となります。
ワクチンや治療薬、変異株、世界の感染状況など、コロナに関するさまざまなことについて、毎日情報をお届けしてきました。これからは新鮮な情報をお届けすることができなくなりますので、最終回は新型コロナウイルスとの向き合い方について、もう一度考えてみたいと思います。
マスク、うがい、手洗いはそれなりに効果がある?
昨年、新型コロナウイルスのパンデミックが世界で起きた時、日本でも感染の波は起こりましたが、欧米ほどではありませんでした。この時は「どうして日本の感染者数が少ないのか」と世界のメディアが報じたほどでした。その後、年末年始の第3波、今年3〜5月の第4波、7〜9月の第5波が大規模だったために、こうした話は消えましたが、世界で再び感染者が増え続けている中で、日本だけ感染者が増えずに踏ん張っている今の状況について、世界から再び驚きの目で見られています。
もしかしたら日本の衛生意識がプラスに働き、「マスク、うがい、手洗い」もそれなりに効果があるのかもしれません。ただし「それなりに」であって、強力なウイルスや変異株の前では、これだけで感染が食い止められなかったこともご存じの通りです。
ワクチンは感染を防ぐものではなくなったのか?
ワクチンによって作られた中和抗体が徐々に減っていくというニュースを初めて見た時はショックでした。しかし、さまざまな研究により、感染を防ぐ力は低下するが、重症化を防ぐ力は残ることもわかってきています。
もう一度、感染を防ぐ力を増やすための追加接種も12月から始まります。
これまでのコラムでは「ワクチンを打てば無敵」にはならないこと、それでも一定の効果があること、そして残念ながらある程度の副反応が出てしまうことなどをお伝えしてきました。追加接種が進むと状況がまた変わるかもしれませんが、今後もワクチンに対する情報をさまざまな形で入手しつづけていただければ幸いです。
感染者はまた増えるのか?
これについては、本当にどうなるのかわかりません。誰もワクチンを打たなくなり、さらに強力な変異株が出現すれば増えるかもしれませんが、今の状況が続けば、一時的な感染者の増加があっても、すぐにまた元に戻る可能性もあります。
第5波までとの大きな違いは2つあります。1つはワクチン接種率で、もう1つは治療薬の開発です。これからはワクチンで予防して、感染しても薬で治す形を取ることができるは大きなメリットになります。それでも身近な人に移してしまう可能性があるので、異変を感じたら、すぐに対策を取ることだけは忘れないようにしたいですね。
当コラムをご愛読いただき、ありがとうございました。今後も引き続き、こびっど19タイムスをどうぞよろしくお願いいたします。
オミクロン・デルタを含む新型コロナ対策には基本予防策が重要だよ、と WHO も繰り返し👶
ただね…ほら、みて、3密回避入ってないでしょ。一部しか。これが世界の現状。日本ではわかってるよね、3密回避、大事。有効な接触抑制の考え方。 https://t.co/DYbHPejMJD— 峰 宗太郎 (@minesoh) November 28, 2021
というわけで、皆さん、マスクや三密回避などの最低限の感染対策を続けつつ、旅行とか外食とか、ぜひ楽しんでください。
現在の感染状況は皆さんが成し遂げた大きな成果です。
皆さんはそれを存分に楽しむ権利があります。
……ただ、飲みすぎてぶっ倒れたりしないようにして下さいね。 https://t.co/u4eC0L9CVb
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) November 30, 2021