新型コロナウイルス、変異株「フィリピン型」とは?
「英国型」や「南アフリカ型」など、世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルスの変異株。日本でも感染者が増加していますが、3月には厚生労働省が新たに「フィリピン型」を検出したと発表しました。この「フィリピン型」は一体どういうものでしょうか?
フィリピンから入国した男性から検出
厚生労働省は3月12日、フィリピンから2月下旬に入国し、空港検疫で新型コロナウイルスの感染が確認された60代男性から、従来のタイプとは異なる新たな変異株を検出したと発表しました(※1)。翌13日にはフィリピン保健省が、国内感染者のウイルス遺伝情報を確認した結果、98人が同様の変異株に感染していたと明らかにしました。
フィリピン型の特徴は?
国内での確認数がまだ少ないため、フィリピン型の特徴ははっきりとはわかっていませんが、厚生労働省によると、英国型や南ア型、ブラジル型と同様の変異があるため、同程度の感染力を持つ可能性があるようです。
フィリピンでは感染者が大幅増
フィリピンでは3月に入り、新型コロナウイルスの感染者が大幅に増加しています。3月初旬の感染者数は1日あたり約2000人でしたが、その後急激に増加し、3月29日には1万人を突破しました。英国型や南ア型、ブラジル型、そして新たに検出されたフィリピン型と、変異株が猛威を振るっており、外国人の入国制限のほか、マニラなどでは厳格な外出制限措置が取られています。
WHOが「注目すべき変異株」に指定
世界保健機関(WHO)はフィリピン型の変異株に対し、英国型、南ア型、ブラジル型の「懸念される変異株(VOC)」に次ぐ、「注目すべき変異株(VOI)」に指定し、動向を注視しています。