東京五輪不参加を表明した北朝鮮の新型コロナ事情は?
北朝鮮の体育省は4月5日、「新型コロナウイルス感染症による世界的な保険の危機状況から選手たちを守るために」東京五輪への不参加を表明しました(※1)。具体的な見通しの立たない東京五輪に対し、世界でいち早く不参加の立場を明確にした北朝鮮ですが、国内の感染状況はどうなっているのでしょうか?
WHOのデータでは感染者数ゼロ
世界保健機関(WHO)のホームページには、各国の最新の新規感染者数、累計感染者数、死者数、ワクチン接種者数が表示されており、北朝鮮についても書かれています(※2)。それによると、4月29日現在の新規感染者数、累計感染者数、死者数がいずれもゼロで、ワクチン接種者数は報告なしとなっています。
WHOは最近発表した報告で、北朝鮮では10日間で23,826人を対象としたPCR検査が行われたが、感染例は確認されなかったと述べています。
徹底した水際対策を実施
2019年12月に中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスが確認されると、北朝鮮はウイルスの流入を防ぐために、翌2020年1月から中国との国境を完全封鎖するなど、徹底した水際対策を実施しました。
封鎖から約1年3カ月が経過した21年4月には、中国やロシアとの国境における制限を一部緩和する動きがあるとの報道が見られるようになりました(※3)。
ワクチンは200万回分供給される予定
徹底した水際対策で「感染者ゼロ」と報告している北朝鮮ですが、WHOが主導するワクチン共同調達の国際枠組み「COVAX」により、199万2000回分のワクチンが割り当てられており、うち170万4000回分が5月までに供給される予定となっています(※4)。
徹底的に封じ込めて感染者ゼロが続いているのに、200万回分のワクチン供給が決定している北朝鮮。実際の感染状況は国際機関の報告だけでは見えてこないのかもしれませんね。
最新ニュースではこれまでにない写真も
5月6日付「労働新聞」によると、北朝鮮の金正恩総書記は5日、李雪主夫人とともに、軍の家族による芸術公演を観覧しました。(※5)。
これまで金総書記が出席する行事では、ほかの出席者もマスクを着用しないことがほとんどでしたが、今回、掲載された写真では、金総書記夫妻と側近の幹部を除いては、観客はマスクを着用していることが確認できました。