韓国の新型コロナウイルス、ワクチン接種の状況はどうなっている?
昨年の感染拡大初期には、宗教施設でのクラスター発生や追跡アプリによる徹底した感染経路追跡など、韓国の新型コロナウイルス発生状況がある程度報じられていましたが、最近では見かけることも少なくなりました。感染対策が成功しているのかどうか、最近の韓国のコロナ事情を調べてみました。
昨年8月に第2波、年末年始に第3波発生
昨年2月に始まった第1波では複数の宗教施設などでクラスターが確認されましたが、その後は厳格な外出禁止措置やスマートフォンの感染者追跡アプリなどによる徹底した対策により、一旦収束に向かいました。しかし、8月には政府の集会禁止令を無視した宗教団体で700人以上のクラスターが発生(※1)するなど第2波が到来。年末年始には変異株による第3波が起きています。
人口あたりの感染者数、死者数は日本より低い
韓国の人口は日本の半分以下の約5200万人で、5月13日現在、感染者数12万9633人、死者1891人が報告されています(ロイター調べ)。
5月12日現在のMEDLEYのデータ(※2)によると、人口100万人あたりの感染者数は2506人(日本は5121人)、100万人あたりの死者数は36.7人(日本は86.8人)となっており、いずれも日本を下回っています。
最近は変異株も増加傾向
韓国でも5月に入り、英国株や南ア株などの変異株の流行によって感染者が増加傾向を示しています。中央日報によると、5月第1週の変異株検出率は27.5%で、4月最終週の14.8%を大きく上回りました(※3)。蔚山や富川などでは変異株のクラスターが発生しており、政府はさらに警戒を強めています。
全人口のワクチンは調達できる見込み
5月13日現在のワクチン接種回数は445万回(日本は527万回)で、100人あたりの接種回数は8.7回(日本は4.17回)となっています(※4)。韓国政府によると、1億9200万回分のワクチンを調達できる見込みで(※5)、ファイザー製が6600万回分、アストラゼネカ製が2000万回分、ヤンセンファーマ製が600万回分、モデルナ製が4000万回分、ノババックス製が4000万回分、COVAXを通じた調達が2000万回分となっています(ヤンセンファーマ製のみ1回接種、他は2回接種)。
大学受験生への優先接種も
政府は7月末までに高齢者の接種を終える方針を示していますが、受験戦争が熾烈な韓国らしく、大学入試を控えた高校3年生への優先接種も8月までに終える予定としています。